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高血圧症

はじめに

高血圧症高血圧症は、症状がないまま進行し、将来的に心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながる可能性がある疾患です。血圧は一時的な数値だけで判断するものではなく、継続的な評価と管理が重要です。

本ページでは、高血圧症の基本的な考え方と、治療で大切にすべきポイントについて解説します。

高血圧症とは

高血圧症とは高血圧症とは、血圧が慢性的に高い状態が続いていることを指します。日本では、診察室血圧で収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上が高血圧の目安とされています。

高血圧は年齢とともに増加しやすく、生活習慣や遺伝的要因、加齢による血管の変化などが関与します。

なぜ高血圧症が問題になるのか

高血圧症の問題点は、自覚症状がほとんどないまま血管に負担をかけ続ける点にあります。高い血圧が続くことで血管の内側が傷つき、動脈硬化が進行します。

その結果、心筋梗塞、脳卒中、心不全、腎機能障害など、命や生活の質に大きく影響する病気のリスクが高まります。

家庭血圧の重要性

高血圧の評価では、診察室での血圧測定だけでなく、家庭血圧が重要です。
家庭で測定した血圧は、日常生活に近い状態を反映しやすく、治療方針の判断に役立ちます。家庭血圧では、135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています。継続的に記録することで、血圧の傾向を把握できます。

高血圧症の原因と分類

高血圧症には、原因が特定できない本態性高血圧と、他の病気が原因となる二次性高血圧があります。
多くは本態性高血圧ですが、若年発症や急激な血圧上昇、治療抵抗性の場合には、二次性高血圧の可能性も考慮し、必要な検査を行います。

治療の基本的な考え方

高血圧症の治療では、血圧を下げること自体が目的ではなく、将来の心血管疾患リスクを下げることが目的です。
生活習慣の改善を基本とし、必要に応じて薬物療法を併用します。治療目標は年齢や合併症、全身状態によって個別に設定されます。

生活習慣改善のポイント

生活習慣改善のポイント高血圧症では、減塩、適度な運動、体重管理、節酒、禁煙が重要です。ただし、急激な生活改善や過度な制限は継続が難しいため、実行可能な範囲で取り組むことが大切です。

少しずつでも生活習慣を整えることが、長期的な血圧管理につながります。

薬物療法について

生活習慣の改善だけでは十分な血圧管理が難しい場合、薬物療法が検討されます。現在は複数の作用機序を持つ降圧薬があり、患者さんの状態に応じて選択されます。

薬は一時的な対処ではなく、長期的なリスクを下げるための治療として位置づけられます。

当院での高血圧症診療

当院での高血圧症診療当院では、診察室血圧と家庭血圧の両方を重視し、数値の背景を丁寧に評価します。血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症などの併存疾患も含めて総合的に管理します。

朝8時から診療しているため、通院を継続しやすい体制です。

よくある質問(FAQ)

血圧が高いと言われましたが、症状がないので治療は不要ではありませんか。

高血圧症の大きな特徴は、自覚症状がほとんどないまま進行する点にあります。症状がない状態でも、高い血圧は血管に持続的な負担をかけ、動脈硬化を進行させます。その結果、心筋梗塞や脳卒中、腎機能障害などの発症リスクが高まります。症状が出てから治療を始めるのではなく、症状がない段階から血圧を適切に管理することが、将来の重い病気を防ぐうえで重要です。

家庭血圧と病院で測った血圧が違います。どちらを重視すべきでしょうか。

診察室血圧と家庭血圧の両方を参考にしますが、治療判断では家庭血圧が特に重要とされています。家庭血圧は、日常生活に近い状態で測定されるため、実際の血圧の傾向を反映しやすいと考えられています。白衣高血圧や仮面高血圧といった状態もあるため、継続的な家庭血圧の記録をもとに、総合的に評価することが大切です。

高血圧は生活習慣の改善だけで治すことができますか。

血圧の程度や年齢、合併症の有無によって異なります。軽度の高血圧であれば、減塩や体重管理、運動習慣の改善によって血圧が下がる場合もあります。一方で、血圧が高い状態が続いている場合や、糖尿病や腎疾患などを合併している場合には、生活習慣改善のみでは不十分なこともあります。その場合は、薬物療法を併用した方が安全にリスクを下げられることがあります。

一度降圧薬を始めたら、一生飲み続けなければならないのでしょうか。

必ずしも一生続けなければならないわけではありません。生活習慣の改善や体重減少などにより血圧が安定すれば、薬の減量や中止が検討される場合もあります。ただし、自己判断で中止すると血圧が再び上昇することがあるため、必ず医師の管理のもとで調整することが重要です。降圧薬は、将来の合併症リスクを下げるための治療として位置づけられます。

高齢者でも血圧はしっかり下げた方がよいのでしょうか。

高齢者では、血圧を下げすぎることによるふらつきや転倒、臓器血流低下のリスクにも注意が必要です。そのため、若年者と同じ厳格な目標を一律に適用するのではなく、年齢、体力、認知機能、併存疾患などを考慮して血圧目標を設定します。安全性を重視しながら、無理のない範囲で血圧管理を行うことが重要です。

血圧は日によって変動しますが、どの程度を問題と考えればよいですか。

血圧は、体調や睡眠、ストレス、測定条件などによって日々変動します。単発の数値だけで判断するのではなく、複数回測定した平均値や傾向を見ることが重要です。家庭血圧を一定期間記録し、その推移をもとに治療の必要性や効果を評価します。


記事の執筆者

田町三田駅前みなと甲状腺・内分泌内科クリニック
院長 小菅 由果

経歴
2005年 東京医科大学医学部医学科卒業
国家公務員共済組合連合会虎の門病院内科初期研修医
2007年 国立国際医療研究センター
糖尿病・代謝・内分泌科 後期研修医
(途中、JR東京総合病院内分泌代謝科専攻医として出向期間あり)
2010年 伊藤病院内科(甲状腺専門病院)
2014年 配偶者の都合で渡米(ボストン)
Joslin Diabetes Center Asian American Diabetes Initiativeにて outreach staffとして貧困地域に対して糖尿病啓蒙活動
2015年 聖路加国際病院内分泌代謝科
2017年 配偶者の都合による渡米(サンフランシスコ)
2020年以降 伊藤病院(甲状腺専門病院)
しぶや甲状腺クリニック(甲状腺専門クリニック)
がん研究会有明病院
東京高輪病院
にて勤務
 
所属学会
  • 日本甲状腺学会
  • 日本内分泌学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本内科学会
  • 日本乳腺甲状腺超音波学会
  • 日本母性内科学会
  • 米国甲状腺学会(American Thyroid Association)
  • 米国内分泌学会(Endocrine Society)
  • 米国糖尿病学会(American Diabetes Association)
資格
  • 日本甲状腺学会認定甲状腺専門医
  • 日本内分泌学会認定内分泌代謝専門医・指導医(暫定)
  • 日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
  • 日本内科学会認定内科認定医
  • 日本内科学会認定産業医